就園・就学

復職を目指し、0歳から保育園に。障害ある子どもの就園体験記②

【目次】
第1回
■保育園、申し込む?申し込まない?

第2回 ☆今回の記事はこちら!

■認証保育園 申し込みの流れ
■問い合わせだけで消耗…子どもの障害を言葉にするつらさ
■「息子くんは息子くんのペースで、やり方で、必ず成長していきますよ。」

第3回
■当時を振り返って…今の自分にできることがベストの答え!

認証保育園 申し込みの流れとは

認証保育園申し込みに向けた、具体的な流れを簡単にご紹介します。

(1)通える範囲の保育園一覧から認証保育園をピックアップする
(2)保育園に一件ずつ電話し、申し込み可能かを確認する
(3)保育園にて見学、子どもの面談をする
(4)内定!

(1)通える範囲の保育園一覧から認証保育園をピックアップ について
認証保育園は居住地域の縛りが無いので、住んでいる自治体にこだわらず、自分の生活パターンに合わせた園を選ぶことができます。
私は家から自転車で通える範囲で、隣の市も含めて探しました。
またHPなどで障害児保育に理解のある園があれば、少し遠方でも候補に入れていました。

(2)保育園に一件ずつ電話し、申し込み可能かを確認 について
認証保育園では保護者が、自治体ではなく園に直接申し込んで直接契約を結びます。そのため子どもの選定も園の基準によるため、
「障害児が入園できるかどうか」も、直接園に問い合わせをしないと分からない
ことがほとんどです。

(3)保育園にて見学、子どもの面談 について
面談は基本的に子どもの同席が必須になると思いますが、私は時期的に感染症が不安だったので、その旨を伝えて母親だけで伺った園もありました。
ちなみにその園は障害児受け入れに積極的・過去に実績もあったためできたことだったかもしれません。

「うちの子障害があって」子どもの障害を言葉にする辛さ。そして、インクルーシブとは真逆の現実に直面

保活で私が最もつらかったのは、この
(2)保育園に一件ずつ電話し、申し込み可能かを確認 について
でした。
その理由は、

①まだまだ自身の傷も癒えない時期に、電話で
「子どもの出産~障害を負うに至った経緯」を、言葉で何度も説明することが精神的にかなりきつかった

②頑張って説明した後で
「障害児を受け入れる体制がない」と電話口でさらっと断られることが多く、心が折れた

という2点でした。

一日に数件電話した後は何もできない、涙が止まらない…という日もあり、問い合わせだけで何日も費やしてしまったことを覚えています。

結果として、私は約20園ほど候補をピックアップし全園へ電話、そのうち15園程に電話口でお断りされてしまいました。時期的に「既に定員数が埋まっている」というものも多かったのですが、

「うちでは何かあったときに対応できないから」や、

「これまでに障害児を受けいれた前例がないから」という理由で断られた園が何件もありました。

その頃の息子は、首・腰の座りが遅いなど既に発達遅滞の兆候は見られたものの、パッと見て健常児の赤ちゃんとの大きな違いはまだ無い頃でした。
それでも「障害がある(あるかもしれない)」という一次情報でここまで門前払いされてしまうのかと、障害児の親ビギナーとして、日本社会からの洗礼を受けた出来事となりました。

ちなみに認証保育園は、国の基準では看護師の配置が必須ではないことも、園側が尻込みする要因の一つだったと園の先生方との会話の中でも感じました。
我が家の場合、医療行為が必要というわけではなくとも、脳性麻痺だと年齢が上がりてんかんを発症することもあるという点がネックになっていました。

保活を続けるほどに、
「健常者の社会に自分たちに居場所はないのかもしれない。保育園に入れたいと、普通の子どもとして過ごさせてあげたいと思う私の考えが間違っているのかも
と思わざるを得ないことが多くあり、心を削りながらの毎日でした。

「息子くんは息子くんのペースで、やり方で、必ず成長していきますよ」運命の保育園との出会い

そんな戦いの終盤に出会ったのが、最終的に息子が入園することとなった「A認証保育園」でした。

まず電話口でお決まりの話をした後、
園長先生がすぐに、「では一度、園へいらしてくださいね。」と仰ってくださいました。

それまでに断られまくり、心折れつくしていた私は、
「え、本当に大丈夫でしょうか…?先ほどもお伝えしましたが、こういう疾患があって、こういうことが起こりうると医師からは言われているんですけども…」
と、思わず自分からもう一度説明してしまったのですが
「はい、問題ないですよ~どうぞ~。」
と、本当にあっという間に面談の日程が決まりました。

しかも話しながら、これまで断られまくってきた電話では感じることのなかった
定員がまだ空いているので大丈夫ですよ〜入れますよ〜、という雰囲気も(なんとなく)感じとり、もしかして、入園できる…?と淡い希望が生まれました。
それでもこれまでのことがあったので、ぬか喜びして落ち込まないよう警戒したまま面談日を迎えました。

いざ当日、2月の寒い朝、息子をもこもこのオールインワンにくるんで保育園へ向かいました。

 

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担当ライター:さわ
出産事故により脳性麻痺・重度知的障害児となった息子(5歳)と暮らしています。
普段は企業で保育園や児童発達支援事業所の運営のお仕事。
息子と自分の未来を明るいものにするために、手探り活動中!