就園・就学

復職を目指し、0歳から保育園に。障害ある子どもの就園体験記③

【目次】
第1回
■保育園、申し込む?申し込まない?

第2回
■認証保育園 申し込みの流れ
■問い合わせだけで消耗…子どもの障害を言葉にするつらさ
■「息子くんは息子くんのペースで、やり方で、必ず成長していきますよ。」

第3回 ☆今回の記事はこちら!
■当時を振り返って…今の自分にできることがベストの答え!

 

また傷つけられるのでは、、、その不安は一瞬で消え去った面談

 

ドアを開けてすぐに、
園長先生が息子を見るなり「あら可愛いわね~!」と自然に接して下さったことで
今思えばあまりにも気が早すぎるのですが、息子が保育園に通う姿を想像してしまった私。
それまで見学や面談に行った保育園で感じていた「この子はどんな障害があるんだ…?」という先生方の緊張感とは少し違う、ウェルカムな空気をその時点で感じていました。

そして、いよいよ勝負の面談。

恐る恐る、改めて息子の状況を説明しようとする私に、園長先生は

「子どもは皆、特に小さなうちは、遊びや生活の中でそれぞれ自分のペースで成長していきます。
 障がいがある子どもも同じですよ。
 息子くんは息子くんのペースで、やり方で、必ず成長していきますよ。」

と仰ってくださいました。

息子の成長についてそんな前向きなことを言ってもらったのは初めてで、それまで耐えていたものもあったのか
その言葉で一気に涙があふれだしてしまいました。

息子はこの社会で、地域で、他の赤ちゃんたちと同じように普通に生活していいんだ。みんなと同じ場所にいていいんだ。
私たち親子を、初めて「社会の一員として受け入れてもらった」と、感じることができた瞬間でした。

 

そこからとんとん拍子で入園が決まり、
息子は0歳児クラスから認可保育園に障害児枠(※)で転園するまで、2年間をA認証保育園で楽しくイキイキと過ごすことができました。

今の息子の生活リズム、お友達と一緒にいるのが楽しい!という気持ちのベースは、この保育園で育んでいただいたなぁと感じています。

またその関係性や経験で育まれた「物事への意欲」は、
感覚過敏が強く、自分の外の世界への興味が持ちにくかった息子にとっては
リハビリや療育を受けるだけでは得られなかったかもしれない、彼の強味となっています。

また私自身も息子が2歳になる際に仕事に復帰しましたが、
0歳児クラスからゆっくり環境に慣れることができたため、復職当初に子どもの病気で頻繁に休まなきゃいけないということを防げたことも、振り返るととてもありがたいことでした。

 

保育士さんは発達のプロ!工夫溢れる保育園生活

 

ここで、保育園での様子を何枚か写真でお伝えします。
保育士さんは決してリハビリや療育の専門家ではありませんでしたが、さすが発達のプロ!
当時の息子の発達に合わせ、日常的に様々な工夫をしていただきました。

 

乳児の発達を促すための手作りおもちゃは、息子のリハビリにもぴったりでした。
おもちゃを通して、先生方の言うように乳幼児期(特に0~2歳頃)は、
どの子どもの発達にも必要なことは同じなんだなと気づくことができました。

 

座位保持椅子を作っていなかったのですが、他の健常児の子どもたちにやるのと同じように、息子の身体の変化に合わせて様々試行錯誤していただきました。

 

お散歩でも、息子にできることに合わせて色々な挑戦をさせてくれました。

 

卒園前には、念願のお散歩カーにつかまり立ちで乗れるように…!
これも先生ができる限り挑戦させてくれたこと、そして「お友達と一緒が楽しい!」という気持ちを育んでいただいたことが、息子の成長を引き出す一番の力になったと感じています。

当時を振り返って…今の自分にできることがベストの答え!

3回に渡ってお届けさせていただきました、私と息子の就園体験記。いかがでしたでしょうか?

実際に私が保育園申込を決意し行動し始めたのは、息子の出産から7ヶ月・NICU退院から3ヶ月のときでした。
結果だけを考えれば当然もっと早く動き出せた方が良かったのですが、まだまだ自分たちに起きた現実と、退院したばかりの息子との生活に向き合うことで精一杯な時期でした。
そして前向きに未来のことを考えられるようになったのは、生後半年のとき、息子が私と目を合わせ、声をあげて笑ってくれるようになってからでした。

笑わない、斜視も少しあり目が合いにくい、寝返りもしないし、育児書に書いてある赤ちゃんとは全然違う。
「赤ちゃん」としてではなく「障がい児」としてしか見えなかったこともあった時期でしたが
息子の笑顔を見て、心の底から「可愛い」と思えたとき、「あぁ私もお母さんになれたんだ」と、出産から半年たってようやく思えるようになりました。

今振り返っても、あれより早く動くことはできなかったし、あれ以上頑張ることもできなかったと思います。

今このブログを読んでいる方の中にも、今まさに「もっと頑張らなきゃ、あれもこれもやらなきゃ…」と焦っている方もいらっしゃるのではないかと思いますが、
障害児育児は、私たち親の一生涯をかけたマラソンのようなものだと思っています。
今ダッシュで走れなくても、そのときの自分のできること、親にとっても子どもにとってもベストの正解だと思っています。
子どもの成長と同じく、自分のペースで、焦らず無理せず、自身の心身も大切に、歩み続けていきましょう!

 

(※)「障害児枠」について
私たちが住む自治体には、「障害など、特別な配慮を必要とする子どもの保育のために、保育士を追加で配置する加配制度」があり、今回制度名称による自治体特定を防ぐため「障害児枠」と表記させていただきました。
この加配制度自体は全国で多くの自治体が実施していますが、実は制度に国の明確な法律はなく、厚生労働省が示す目安(概ね障害児2名に対し、保育士1名を水準とする)をもとに各自治体が独自の運用を行っています。
ですので保育園で加配制度利用をご希望の場合は、必ずお住まいの自治体のルールを確認・ご相談ください。