就園・就学

復職を目指し、0歳から保育園に。障害ある子どもの就園体験記①

はじめまして、5歳の男の子(アテトーゼ型脳性麻痺、重度知的障害)を育てている【さわー】です。

息子は在胎28週目のときにおなかの中で低酸素状態となり、脳性まひ児として生まれてきました。
その後0歳児クラスから保育園に入園し、認証保育園→認可保育園(障害児枠)と転園も経験しながら、もうすぐ年長さんの学年を迎えます。
私は保育園のおかげで妊娠前からの仕事を継続することができ、また大変なことも多い障害児育児のレスパイト(子どもを預け休息をする)としても、保育園に日々支えていただきながら生活しています。

今回は、そんな我が家の
「障害ある子どもが保育園に入園するまで」の体験をお伝えいたします。

保育園の入園手続きは、各自治体ごとに様々な違いがあり、あくまで「東京都の一地域」かつ「2019年前後の事情」、さらに今回は「認証保育園」についての内容となりますが
まだ子どもが生まれたばかり・これからどうすれば良いの?と悩まれている方の参考になればと思います。

 

【目次】
第1回
■保育園、申し込む?申し込まない? ☆今回の記事はこちら

第2回
■認証保育園 申し込みの流れ
■問い合わせだけで消耗…子どもの障害を言葉にするつらさ
■「息子くんは息子くんのペースで、やり方で、必ず成長していきますよ。」

第3回
■当時を振り返って…今の自分にできることがベストの答え!

息子の基本情報
5歳現在

→身体障害者手帳2級、療育手帳(東京都在住のため愛の手帳)2度(重度)0歳7ヶ月 当時(保育園申込時)
→手帳未取得
発達…首座り〇・腰座り×・寝返り×・離乳食×(未開始)
反り返りの緊張が強く縦抱っこ不可、感覚過敏が強くおもちゃをほとんど触らないetc…


当時の息子。寝返りもできず、この姿勢から自力で動くことはほとんどできませんでした。

保育園、申し込む?申し込まない?

MRIで息子の脳室周囲白質軟化症が判明した後、私は自分があとから後悔しないために、
「これから数年は、息子の発達を促すことを最優先に生活する」と決意しました。
そこで実際にリハビリや療育について調べていくと、
基本的に「平日の日中」に行われるものがほとんどという現実にぶち当たりました。

私はそれまで正社員で働いていたので、正直「もう復職は諦めるしかないのでは…?」とも思いました。
今このブログを読まれている方にも、この
「子どもに療育・リハビリを受けさせたいなら、母親は正社員やフルタイムで働けないのが当たり前」
という暗黙の了解に悩まされているお母さんも多いのではないでしょうか。

そんな中でしたがタイミング良く、息子が生まれる前年の2017年に「育児・介護休業法」が改正され、育休期間が最長2年まで延長できるようになったばかりでした。

「育児・介護休業法」とは?
正式名称を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といい、育児や介護を行う労働者を支援し、家庭と労働を両立できるようにすることを主な目的とした法律です。具体的には「育児休業」「子の看護休暇」「介護休業」「介護休暇」という4つの制度について定められています。最近では2021年に行われた、男性の育児休業取得促進のための法改正が話題になりました。

参照:厚生労働省「育児・介護休業法について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

そこで私は、
◆復職予定の2年後に、息子がどんな状態になってるか分からない。もしかしたら健常児みたいに育つ可能性も…?(※)
◆健常児との触れ合い自体が、療育・リハビリになる…かもしれない。
と考え、

「2年後に復職したい!となったときに、働ける保証 & 療育の場」として

どうなるか分からないけどとりあえず保育園へ申し込もう!と決めました。

また2歳までは育休を取得したまま保育園に通いたかったので、
◆復職が必須ではない(認可保育園は必須)
◆在籍することで、認可保育園申込時に入園選考のための点数が加点される(認証保育園は原則0~2歳児クラスまで)
という理由から、認可保育園ではなく
【認証保育園】
へ狙いを定め、保活をスタートしました。

認証保育園とは?
東京都が作った独自の制度の保育園で、簡単に言うと、「認可保育園と認可外保育園の間」の施設です。認可保育園数の充足・少子化によりここ数年で減少傾向にありますが、東京都が2024年2月策定した「こども未来アクション2024」にて、「認証保育所に対し、障害児受け入れに応じて必要な経費を補助し、認証保育所の障害児受け入れを促進する」と明記されました!

参照:こども未来アクション2024(P197)
https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/kodomoseisaku/book/kodomo-mirai-action2024/pageindices/index196.html#page=197

(※)胎児・新生児時期に脳室周囲白質軟化症の診断を受けた方の多くは、
「子どもの脳の発達は未知数だから、どのように育つかは分からない。しばらく様子をみましょう」
と言われたことがあるのではないでしょうか。
我が家もそうで、MRI画像の所見では重症だが、歩くかもしれない・寝たきりかもしれない・喋るかもしれない・意思疎通不可かもしれない…。
すべてに「かもしれない」がつくようなことしか分からないのであれば、もう全部やったれ!
と、半ばヤケクソで色々な手続きを進めていったことを覚えています。