福祉制度

【わかりやすく説明】障がい児制度の所得制限とは

障がい児を取り巻く所得制限とは


最近、児童手当の支給に所得制限を撤廃するというニュースを聞かれた方も多いのではないでしょうか。


行政から子どもに関する手当をもらったり、サービスを受ける際、親の収入(子どもの収入も含む)がある一定の金額を超えると、一切もらえなくなったり、サービス利用料の上限が高額になることをご存じでしたか?

私たちサードプレイスの会員のお子さんは障がいのあるお子さんが多く、程度にもよりますが様々な行政サービスを利用する機会が多いです。
そんな私たちの子どもが利用している行政サービスにも所得制限はあります。

例えば、障がいのある子に支給される手当があります。
保護者が申請し、申請が通ると
・特別児童扶養手当
・障がい児福祉手当
の支給を受けられます。
しかし、ある一定の所得を超えると本来受けられるはずの支給が受けられなくなるのです。

この所得制限は、先ほどの手当のほかにも

  • 子どもが通っているリハビリ施設や療育施設の利用料
  • お家に来てくれるヘルパーさんなどの利用料
  • 車いすや身体をサポートする装具などの費用助成
  • トイレややお風呂で使ういすなどの費用助成
  • 吸引器やオムツの支給などケアに必要なものの費用助成
  • 学校入学時の費用助成

など多岐にわたります。

複雑な障がい児制度を読み解くには


幅広く、ほとんどのサービスにそれぞれ制限がありとても分かりにくいです。
また、世帯単位で収入を合算したり、一番収入の高い人の所得だったりと基準もバラバラ。
また、扶養家族の人数によって制限額が変わるなどとても難しい設定となっています。

※国に権限があったり、自治体に権限があったり、制度ごとに非常に複雑なので(行政も理解出来ていないことも多い)、疑問に思うことがあれば徹底して行政に聞くことをお薦めします。またサードプレイスでは、全国に会員がいますので、自治体格差について情報交換を行っています。


社会保障費が増えていく中、様々な施策を進めていく上では上限を定めることは必要だったのかもしれません。しかし、高齢福祉に重点を置くことが多かった内容から未来を支えてくれる子供に向けてのサポートが必要と世の中の流れが徐々に変わりつつあります。

補装具の所得制限撤廃が決定

先ほど挙げた中の一部だけですが、車いすや装具類などは高いもので40~50万以上します。
車いすや座位保持椅子(体を支えるためのいす)、カーシートなどは成長とともにサイズアップが必要です、
同じタイミングでつくることが多いのですが、3つをまとめて作ると100万円を超えることも少なくありません。
それとは別にサービスにかかる費用も自己負担額が3万7千200円が上限に。

また、リハビリ通院など交通費や入院費など医療費の支払いも大きいです。


毎月約4万円の出費と、数年に1度100万円を超える出費に備えるのは並大抵の収入でないとなかなか厳しいと思います。

また、これで語られることが少ないのが介護をする家族への負担や、きょうだい児のこと。

サービス利用にかかるお金が払えないために泣く泣くサービス利用を諦め、自分たちだけで障がい児の介護をすることを選ぶケースや、障がい児への出費が多いことにより、きょうだいへの出費が減ってしまうケースもあります。


同じ障がい児が育つ環境で、このような違いがあっていいのでしょうか?
サードプレイスでは、所得制限についてこれからも撤廃に向けて働きかけが必要と考えています。

所得制限については、地域によって撤廃へ動いているところもあります。
もし、今困っている方がおられましたら、ぜひお声を寄せてください。

お待ちしております。

担当ライター:かかさん
介護福祉士。高校で福祉を学び、介護や保育の現場で15年以上勤務。2人の子供のママ(上の子が脳性まひ児)福祉分野と外資系企業で働いていた経験から、障がい国籍家庭環境など関係なく誰でも参加できる子育てイベントを主催している。