1月17日 阪神・淡路大震災
今日は、1月17日阪神・淡路大震災から29年目だ。
私も、中学2年の時、実家がある京都で経験した。2階で寝ており、5時45分にちょうどなぜか目が覚め、最初はいつもの地震かと思っていたら、しだいに揺れが大きくなり、目の前にある机に頭だけ隠した記憶がある。
「大丈夫かー!!」と1階で寝ていた母親が大声で叫ぶ声が今でも、鮮明に記憶に残っている。
テレビに映る大火事。その日、学校で私は死亡者の数を机に書き込んでいた。当初200人だった死亡者が、刻一刻と増えていったことを覚えている。
東日本大震災は東京の仕事場で経験したが、3月11日に同僚が「そんなに死者はでないでしょう」と言っていたのを、「これは多くの死者がでると思います」と言ったことを思い出した。
1月1日は能登半島地震が起こり、多くの方が命を落とした。そして、まだ、避難所の生活を強いられている人も多くいる。
福祉避難所とは
私たちがやはり、気になるのは福祉避難所の存在だ。
内閣府が出している福祉避難所の確保・運営ガイドラインでは下記のように記されている。
東日本大震災では、犠牲者の過半数を高齢者が占め、また、障害者の犠牲
者の割合についても、被災住民全体のそれと比較して2倍程度に上ったとい
われている。
高齢者や障害をもった方々など特別な配慮が求められる方々にとっては、
直接の被害だけでなく、必ずしも生活環境が十分に整備されたとはいえない
避難所で、長く生活することを余儀なくされた結果として、健康を害し、復
旧・復興に向けての生活再建フェーズへの移行に困難を生じているケースも
見られる。
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/1604hinanjo_hukushi_guideline.pdf
障害者の犠牲は約2倍という驚くべき数字
障害の親として、我が子の命を守るためにはどうすればいいのか。
大阪市のHPでは
福祉避難所・緊急入所施設とは
福祉避難所
災害時において、高齢者や障がい者など、一般の避難所生活において特別な配慮を必要とする方々を対象に開設される避難所です。
緊急入所施設
一般の避難所や自宅で生活することができない避難行動要支援者のうち、身体状況の悪化により緊急に入所介護・療養等が必要な方に対応する施設です。
福祉避難所・緊急入所施設の指定
・教室・保健室など、一般の避難所の一部を「福祉避難室」とします。具体的な場所の指定は、各地域で行われている避難所開設訓練を踏まえるなど、自主防災組織の意見を参考にして定めていきます。
・社会福祉施設などの協力を得て「福祉避難所・緊急入所施設」とします。
https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000181440.html
と記載がある。
では実際にのどのように使えばいいのだろうか
大阪市に話を聞くと
「大阪市では直接避難ではなく、まず、お近くの避難所に行っていただき、そこから必要に応じて、福祉避難所に移っていただくような流れになります。混乱を招くので、直接、福祉施設に行っていただくことはお控えいただければ」
また、自ら避難所にいけない場合はどうしたらいいのだろうか
「職員もすぐに向かうことが難しい場合もあり、その際は、共助、近所の方、地域コミュニティにお願いするしかありません」
とのことだった。
大阪市の避難所数は以下だ
【避難場所】 切迫した災害の危険から逃れるための施設や場所
- 広域避難場所 34か所
大規模火災が発生し、延焼拡大した場合の避難先で、火災に対して安全な大きな公園など。
また、広域避難場所までの安全な道路をあらかじめ避難路として指定しています。- 一時避難場所 約1,470か所
地震時等の一時的な避難先で、公園や広場、学校の運動場など。- 津波避難ビル・水害時避難ビル 約2,980棟
津波や洪水(河川氾濫)時の緊急的な避難先で、堅固な高層建物の3階以上の階など。【避難所】 一定期間滞在し避難者の生活環境を確保するための施設
- 災害時避難所 約560か所
浸水や倒壊により自宅で生活できなくなった市民が避難生活を送る施設で、学校の体育館など。- 福祉避難所 約340か所
災害時において、高齢者や障がい者など、一般の避難所生活において特別な配慮を必要とする方々を対象に開設される避難所など。
※福祉避難所は、災害発生時に建物の安全確認や人員確保、受け入れ可能人数の調整ができた後、準備が整いしだい、可能な施設より順次開設を行いますので、福祉避難所への受け入れが必要と思われる要支援者についても、まずは災害時避難所へ避難してください。https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000012054.html
実際には厳しい福祉避難所の開設
しかし、実際には厳しいのが現状のようだ。
石川県輪島市も多くの福祉施設と協定を結んでいたが、職員が被災したり、施設が使えず、25施設中2割しか稼働できなかったそうだ。
家屋倒壊などで80人以上が犠牲になった石川県輪島市で、障害者や高齢者ら支援が必要な人が避難する「福祉避難所」の開設が進んでいない。市は事前に25施設と災害時協定を結んでいたが、発災当初実際に開設できたのは2日に2カ所だけだった。
https://www.asahi.com/articles/ASS1D5TGSS1CUTFL00P.html
登半島地震で甚大な被害を受けた地域では、障害者や高齢者らを受け入れる「福祉避難所」の立ち上げが難航している。石川県輪島市では高齢者施設など26カ所と協定を結び、福祉避難所を開設する計画だが、大半が被災して稼働できていない。市役所内の一室に避難してきた福祉事業者と連携し、その一角を福祉避難所として運用するケースも。市外への2次避難も進められる中、障害者の孤立やスタッフの疲弊が懸念されている。
https://www.sankei.com/article/20240112-JJ3MWNQYGVMONM6JWVG2LE5LGI/
能登半島地震の被害が大きかった石川県内で、障害者やリスクのある高齢者ら特別に配慮が必要な避難者を受け入れる「福祉避難所」が、思うように稼働できていない。「職員も被災し、人手不足が深刻」との声が上がる一方、特別支援学校の児童生徒の家族が存在自体を知らずに車中泊するケースもあり、「周知が足りない」との指摘も出る。
また障害児を持つ親の声も
避難生活が長引く中、“災害弱者”のケアの必要性が高まっています。自閉症の息子を持つ母親は「団体生活が難しく、避難所に行けない」。ただ、こうした家族らを受け入れる「福祉避難所」は輪島市内で2か所に止まっています。
まずは自分の住まいがある自治体に問い合わせ、“もしも”のことに備えることが重要といえる。